キリスト教は西洋の宗教ではないのですか?
キリスト教はもともとユダヤ人の宗教です。イエスも弟子たちも皆ユダヤ人でした。そして、イエスはユダヤ人を救うために来ました。イエス・キリストはユダヤ人が持っていた聖書(旧約聖書)であらかじめ預言されていた、「預言の成就」だからです。
ですから、キリストを信じることは、ユダヤ人にとっては極めて当たり前のことです。
キリスト教はユダヤ人から始まり、異邦人(ユダヤ人にとっての外国人)に広がったため、初めは「キリスト教」や「クリスチャン」という言葉すらありませんでした。イエスを「キリスト」すなわち「救い主」と信じる人が増え広がっていく過程で、ユダヤ人信者が排除されていき、やがてキリスト教は異邦人信者が中心となったのです。そして、異邦人信者を指す「あだ名」として、「クリスチャン」つまり「キリストにつく者」「キリストばか」と言う意味で呼ばれるようになりました。
キリスト教は西アジアに位置するエルサレム⇒パレスチナ⇒小アジア(トルコ)⇒ヨーロッパ⇒北米⇒アジア諸国と、「西回り」で世界に広がりつつあります。そして、現在のキリスト教の中心は西洋ではなく、むしろアジア(韓国、中国)や南米、アフリカなどの第三世界です。韓国ではカトリックとプロテスタントを合わせると、人口の3割近くに達し、4人に1人がクリスチャンと言われています。さらに、ユダヤ教徒の中にも、イエスをメシアであると信じる人が少しずつ増えてきています。「福音をユダヤ人に届けよう!」と、キリスト教のスタート地点、エルサレムに回帰するという動きがあり、これは聖書で預言されている「終末時代」が近いことを予感させます。
こう考えると、キリスト教は「西洋の宗教」ではなくて、むしろ「世界を一周している宗教」と言えるのです。